えておきたい!海外進出時のリスク回避方法

(記事:2017.9.26.岡野安暢)
海外進出は、貴社の事業拡大や事業継続につながる重要な戦略のひとつであるはずです。
しかしその一方で、日本とは異なる事業環境において、さまざまなリスクに遭遇する可能性もあります。
想定外の損失を被ったことにより、撤退する企業も少なくありません。2014 年版中小企業白書によれば、海外直接投資を実施したことがある中小企業のうち、約 1/3 が「撤退を経験したことがある」または「撤退を検討している」という状況にあります。その中には、リスクへの対処を誤り、思わぬ損失を被ったことにより、撤退に至った企業も少なくありません。撤退まで至らなかったとしても、海外で事業を展開するにあたっては、さまざまな問題が発生する可能性があります。たとえば、現地での賃金の上昇、製品需要の不振、商慣習・文化の違いによるトラブル、法務・労務・税務に関するトラブル、工場などの設備に関するトラブル、自然災害など多岐にわたります(参照:中小機構より一部引用)

海外進出でのトラブル

海外進出でのトラブルは、取引先との契約交渉から、商品発送・受領から代金決済、品質に至るまで広範に発生します。よく聞く主なトラブルは以下の通りです。
・商品/サービスの品質
・品質の不良
・品質の相違
・不完全なこん包
・破損、汚染、変質など
・到着数量の不足
・到着重量の不足
・数量や重量
・出荷の相違
・出荷の遅延
・出荷
・価格の違約
・支払いの遅延や不能
・契約の解除
・価格や決済
また、トラブルが発生すると解決のために多くの時間、手間や費用が発生します。事前にトラブル予防と是正策を考えておくことが重要です。

トラブルをけるための注意点
ビジネスは国内外を問わず、相互に誠意を持って信頼関係を保つことが重要なのは言うまでもありません。また、そもそも信頼関係を築ける相手であることを取引開始前に確認するプロセスが必要です。信頼の評価は、相手側の国民性や社会的環境によっても異なりますが、判定には、経験と適切な判断材料が不可欠です。トラブルが発生した際の対処の遅れ、または初期段階での対応の誤りは、トラブル拡大の一因です。トラブル発生時はすぐに社内関係者に事実を伝え、情報を共有するとともに、内容の詳細を確認し、相手側に対しても速やか、かつ合理的に対応します。
解決の基本は契約です。商品・品質、納期、船積み、決済などの条件はいうまでもなく、商品の保証条項や問題解決方法もできる限り詳細に契約書に記載します。さらに、紛争解決のための条項、つまり準拠法、仲裁、または管轄などを明記した契約書を作成することが重要です。継続的な取引が見込める場合は、ビジネス開始前に。個別契約書とは別に基本的取り決め事項を規定した基本契約書(Basic Agreement)を取り交わし、必ず上記の紛争解決条項を記載します。また、契約書によってビジネスの確実性のすべてが保証されるわけではありません。
新規取引の場合は、上記のとおり相手企業または経営責任者がこちら側の信用尺度に適合するか、事前に十分な調査や分析をすることが重要です。継続的に取引を行うのであれば、取引銀行や信用調査機関への調査依頼に加えて、同業者間の評判を生きた情報として判断要素に加える方法もあります。さらに取引先の責任者と面談し、企業内部や工場設備を視察して適切な心証を得ることも大切です。ここでは、「現場、現物、現実を重視」の三現主義によって、相手を厳しく評価することをお勧めします。代金や費用の支払いにかかわるトラブルを起こさないためには、リスクが高く自社に不利な条件は、可能な限り避けるべきです。やむを得ず輸出での後払いや、輸入での前払いが契約条件となる場合は、相手企業の信用度、自社の損失に対する耐久力を考慮した上で、与信限度額を決めて与信管理を厳重に行います。交渉の結果、自社に有利な決済条件に到達できない場合は、例えば双方にとって受け入れやすいL/C取引条件の提案も将来のトラブルの回避方法の1つです。また、貿易保険や取引信用保険の付保も回避対策の1つとなります。特許権や著作権などの知的財産権の違反や抵触トラブルも、最近の外国ビジネスに多く見られるものです。知的財産権に対する知識を蓄積し、運用についての社内での対応力を構築することが求められます。

通常、ビジネスは、トラブルの発生もなく、順調に契約が終了するケースが普通です。
トラブルが発生した場合に備え、社内に外国語で直接交渉できる人材を確保することも重要です。
海外とのビジネスの発展やトラブルの事前回避のためにも、自社の貿易業務に精通し、外国語の素養のある社員の採用・育成を行うことをお勧めします。

 

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